問題点・課題
Problems/issues
地方においては、水道水を直接飲料水として利用する場合の少なくありません。首都圏においては近年では飲める、飲めないの議論があるようです・・・。
いづれにしましても、直接皆様の肌に触れる重要な給水は給水管を通じて蛇口から出るわけなので、給水管の状況が気になるところです。
水分と酸素が、基本的には配管腐食の原因と伝えられていますが、配管を水分と酸素に接触させないようにすることは困難です。このように考えると、ステンレスを使うことも効果的かもしれません。
給水管の材質
さて、給水管はさまざまな材質が使われており、材質ごとにおよその耐用年数がきまっています。
使用している材質や継手の種類等により、発錆の可能性の大小はありますが、まずは皆様のマンションでは何の材質が使用されているかを把握し、材質ごとの耐用年数から交換の時期を見定め資金確保しておきましょう。また、赤水などが報告されている場合には、一度給水管の検査を行ってみてください。
給水管の検査は、内視鏡、エックス線検査、抜管検査、超音波肉厚検査などがあります。
検査結果により、管の取替え、または管内部の樹脂を塗布する更生工事を選択していきます。
更生工事は、条件が悪ければできない場合があり、耐用年数は約10年と言われています。
それと、錆が体内に入ったときの人体への影響について、関係各所に聞いてみたのですが、明確なお応えがいただけていません。
給水管の主な材質
水道用亜鉛メッキ鋼管
- 錆びやすいうえ、問題が多め
- 亜鉛メッキが処理されている
- 耐久年数 約15年~20年
- 昭和40年頃まで使用されていた
- 今では、給水管としての使用は禁止された
硬質塩化ビニルライニング鋼管
- 鋼管内部がビニル系樹脂でコーティング処理されているため発錆などの異変は発生しにくくなっている
- 内部コーティングされているため、
- 昭和50年代から使用されはじめた
- 平成に入り、管と管をつなぐ継手に、長寿命の管端防食継手が使われはじめ 錆が生じにくくなった
樹脂管
- ポリエチレン管、ポリブデン管など、樹脂製で新しめの材質
- 耐用年数は、約30年
- リフォーム時などには交換がしやすい
給水管の腐食
腐食による影響
- 管の破損による漏水のリスク
- 水道代があがる
- 赤水などが蛇口から出てくる
- 流量の減少
漏水を見極める
各住戸には水道メーターが設置されており、使用水量などが見られます。
実は、水道メーターから先の給水管で微量な水が使用されているような場合には、パイロットと言われる針がくるくると回転します。
万一、給水管腐食とうによる水漏れの疑いがある場合には確認します。
管と継手の接合部の腐食
管と継手が接触する部箇所において、異なる材質の金属同士が接触し、そこに水が加わると、それぞれが持つイオン化傾向のちがいによる電位差によって電流が生じます。これにより、イオン化傾向が大きい金属について錆びが発生するメカニズムです。
これが、よく耳にする、「異種金属接触腐食」と言われるもので、厄介です。
近年にある継手は、コアが内蔵されているものなど、これに対応したものもあります。
銅管について知っておこう
古く、銅管は給湯管をはじめ広く使用されておりましたが、時を経るにつれ、特有の問題が浮上しています。
経年劣化に関しては、使用開始から約10年ほどで生じてくると言われており、使用から約20年が経過すると漏水のリスクが高まります。
もちろん配管の組み方や水圧、使用頻度などの諸要素にも影響されますが、次の2つの現象をおさえておきましょう。もちろん、振動等による疲労で破損することもあります。
現象①「潰食(かいしょく)」
高速高温の水が管内を流れた際に、コーナー部分や曲がり継手部分などで、水流が乱れによる気泡が、管壁面にぶつかり損傷を与えます。
これが続くと、管内の皮膜が破損し銅管に穴(ピンホール)があきます。
現象②「孔食(こうしょく)」
銅管は、経年するにつれて表面が、青緑色に変色し保護被膜を形成します。
これが、緑青といわれ、銅の特有のものです。銅管の内部に緑青が発生すると元々ある管内の皮膜を破損し、銅管に穴(ピンホール)があきます。